COLUMN
コラム
インプラントができない?「骨造成」で治療の可能性を広げる方法
皆さま、こんにちは!
三田市の歯科・歯医者「ばんどう歯科」です。
「インプラント」は、歯を失った場所に人工歯根であるインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療です。
顎の骨にしっかり固定されるので、自然な見た目と噛み心地を取り戻すことができますが、すべての患者さまに適応できるわけではありません。
特に、骨の量や質が不足している場合、インプラントが難しいことがあります。
そのような場合に有効なのが、「骨造成」と呼ばれる治療法です。
今回は、インプラント治療ができない場合でも、治療の可能性が広がる「骨造成」についてご紹介します。

板東 直子 院長
1985年徳島大学歯学部卒業 三木康楽賞受賞1985~87年兵庫医科大学歯科口腔外科研修医
1987~95年徳島大学歯科麻酔科勤務
1989~91年ロンドン大学イーストマン歯科病院にて研修
1995~2000年歯科英語翻訳フリーランス
1997~2000年堀池歯科 勤務
2000年7月ばんどう歯科開業 院長
2006年医療法人社団 祥皓会 理事長
2017年5月日本歯周病学会認定医取得
医院名:【医療法人社団 祥皓会 ばんどう歯科】
所在地: 〒669-1533
兵庫県三田市三田町7−4
Contents
顎の骨が足りなくても「骨造成」でインプラントが可能になることも
インプラント治療を成功させるためには、十分な骨量が必要です。
骨が不足している場合、インプラントを埋め込むための土台がしっかりと形成できず、治療が困難になることがあるからです。
けれども、骨の量が十分でない場合でも、「骨造成」などの専門性の高い治療を行うことで、インプラントが可能になるケースがあります。
「骨造成」とは、インプラント治療を受けるために不足している骨を人工的に補う治療法です。
歯を失った部位に骨を追加することで、インプラントが埋め込める十分な骨の量と質を作り出す治療法です。
骨造成の方法にはいくつかの種類があり、患者さまのお口の状態に合わせた適切な治療法をご提案いたします。
「インプラントは難しい」と言われてインプラント治療をあきらめた方も、当院で対応できるケースがありますので、お気軽にご相談ください。
インプラント治療に顎の骨量が必要な3つの理由
それでは、インプラント治療に顎の骨量が必要なのはなぜなのでしょうか。
その理由を3つ説明します。
【理由1】インプラントを固定するため
インプラントは、チタン製の人工歯根と骨とが結合することで、しっかり固定される仕組みです。
インプラントに使われているチタンは、体内に入れても拒否反応を起こしにくく、骨としっかり結合するため、生体親和性が高いといわれている素材です。
その上、軽量でありながら、非常に強度が高い金属といわれています。
けれども、骨量が不足していると、噛むたびにインプラントを支えきれず、固定が弱くなる恐れがあります。
しっかりと固定されたインプラントは、天然歯と同じように安定し、快適に使い続けることができるのです。
【理由2】食べものをしっかり噛めるようにするため
インプラントは、人工歯根を顎の骨に埋め込み、しっかり固定することで、天然歯に近い噛み心地を再現する治療法です。
天然の歯と同じように食べものをしっかり噛むためには、強い力に耐えられる土台が必要です。
骨が薄いと、インプラントにかかる力を支えきれず、ぐらついたり、破損するリスクが高くなります。
また、顎の骨が少なくてインプラントが不安定な状態だと、一部の歯だけに負担がかかり、かみ合わせのバランスが崩れることがあります。
ほかの歯に悪影響を与えたり、かみ合わせが悪くなったりするケースもあるのです。
【理由3】インプラントを長期間維持させるため
インプラントが問題なく使い続けられているかを示す「累積生存率」をみると、10~15年使用できている方が約90%以上となっています。
さらに、20年以上インプラントを使用している方へのアンケート結果をみてみると、78%の方が「インプラント治療の経過に特に問題はない」とこたえています。
参照:厚生労働省「歯科保健医療情報収集等事業|歯科インプラント治療のための Q&A」p3より >
参照:J-STAGE 日本口腔インプラント学会|第31巻「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」より >
このように、適切な治療とメンテナンスを行うことで長期的に維持できるインプラントですが、長く使うためにはインプラントをしっかりと支える顎の骨が十分にあることが重要です。
顎の骨量が不足していると、インプラントの安定性が低下し、長期的な使用が難しくなる可能性があります。
「骨造成再生治療」とは
インプラントの「骨造成再生治療」とは、インプラントを支えるために、足りない顎の骨を人工的に作り足す治療です。
これにより、骨が不足している場合でもインプラントを埋め込むことができ、しっかりと固定できるようになります。
骨造成が必要なケース
ここからは、骨造成が必要になるケースについて説明します。
歯を失い骨が吸収されてしまった場合
むし歯や歯周病、外傷などによって歯を失うと、その部分の顎の骨に噛む力がかからなくなってしまいます。
歯には、「噛む力を顎の骨に伝える」という役割もあります。
この力が継続されることで、骨を刺激し、骨が健康的に維持されるのです。
けれども、歯を失うとこの刺激がなくなり、骨は次第に吸収され、顎の骨の量が減少してしまいます。
骨が吸収されると、インプラントを埋めるための土台となる骨の量が不足してしまいます。
十分な骨がないと、インプラントが安定しないため、治療が難しくなるのです。
骨の密度が低い場合
骨の密度が低いというのは、骨がもろくなっている状態を指します。
年齢を重ねると、骨密度は自然に低下する傾向にあります。
また、歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が溶けてしまい、骨密度が低くなることもあるのです。
インプラントの成功率を高めるためには、骨が十分に硬くて強度があることが必要です。そのため、骨密度が低い場合、インプラントが安定するように骨造成が必要になることがあります。
骨の厚みが不足している場合
インプラントを埋め込むためには、適切な骨の厚みが必要です。
骨の厚みが不足していると、インプラントがしっかりと安定せず、治療の成功率が低下する恐れがあります。
骨造成の種類
当院が行っている骨造成の種類を紹介します。
サイナスリフト
上顎にインプラントを埋め込む際、十分な骨量がない場合には、「サイナスリフト」という手術を行います。
歯ぐきを切開して、上顎の「上顎洞(じょうがくどう)」という空間に骨補填材を注入し、インプラントを支えるための十分な骨の厚みを作り出す方法です。
「骨補填材」とは、骨が不足している部分に追加して使用する素材です。
失われた骨の代わりに機能し、新しい骨の形成を促進する役割があります。
骨補填材にはいくつかの種類があり、患者さまのご希望やお口の状態によって適切なものをご提案します。
ソケットリフト
上顎にインプラントを埋め込む際、骨の厚みが比較的残っている場合に行うのが「ソケットリフト」です。
この手術では、上顎の底を軽く持ち上げ、そこに骨補填材を注入して骨の厚みを確保します。
サイナスリフトほど大きく切開することがないため、術後の腫れや痛みも軽減され、患者さまへの負担を抑えられるのが特徴です。
スプリットクレスト
インプラント治療を行うために必要な骨の幅がない場合、「スプリットクレスト」という方法が使用されます。
この治療法では、特殊なくさび型器具を使って骨を横に広げ、インプラントを埋め込むための十分なスペースを作り出します。
これにより、骨の幅が不足している場合でも、インプラントの埋入が可能になるのです。
当院のインプラントを活用したさまざまな治療法
当院は、インプラントを活用したさまざまな治療法を提供しています。
ミニインプラント・オーバーデンチャー
ミニインプラント・オーバーデンチャーは、「総入れ歯」をインプラントでしっかりと固定する治療方法です。
すべての歯をインプラントにするよりコストを抑えながらも、安定した咀嚼(そしゃく)力と快適な噛み心地が実現できます。
オーバーデンチャー
オーバーデンチャーは、残っている歯や既存のインプラントを利用し、その上に装着する入れ歯のことです。
一般的な入れ歯は、歯や粘膜のみで支えるのに対し、オーバーデンチャーは「歯・インプラント・粘膜」の3つを支えにするため、より安定した装着感が得られます。
抜歯即時インプラント
歯の根がヒビ割れたり、折れたりしてしまって抜歯が必要になった場合でも、周囲の骨や歯ぐきの状態が良好であれば、「抜歯即時インプラント」を行うことが可能です。
抜歯した部分にそのまま埋入するため、歯ぐきを大きく切開する必要がなく、術後の痛みや腫れが軽減されるというメリットがあります。
「骨が足りない……」インプラント治療のことはばんどう歯科までご相談ください
骨が足りないことが原因でインプラント治療が難しい場合でも、骨造成によってその治療の可能性は大きく広がります。
骨造成により、インプラントを支えるための十分な骨量を確保することができる可能性があるのです。
三田市の歯医者「ばんどう歯科」では、お一人お一人の患者さまのお口の中の状態を的確に診断し、適切な治療プランをご提案いたします。
インプラント治療を検討されている方や、インプラント治療ができないかもしれないとご心配の方は、当院までお気軽にご相談ください。
歯科治療に対して恐怖心や不安を感じる方のために、リラックスして治療を受けていただける「笑気麻酔」や、点滴による「静脈内麻酔」を行っています。
痛みや不安をできる限り軽減し、安心して治療を受けていただけるよう心がけております。
当院は、神戸電鉄「三田本町」駅から徒歩5分、JR宝塚線「三田」駅から徒歩8分と、電車での通院がスムーズです。
さらに、14台分の駐車場を完備しているため、お車でお越しの方も通いやすい歯医者です。
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